結婚式など冠婚葬祭の際、友人知人、会社の同僚や上司だけでなく恩師まで呼ぶことってありますよね。それが新郎側だけでなく新婦側もとなるとかなりの人数が式場に集まり、華やかなものになること間違いなし。
でもちょっと待ってください、新婦側は友人知人がたくさんいても新郎側に全然友人知人がいないとどうでしょうか。かなりバランスが悪いというか、新婦側の家族や友人たちから「あの新郎で大丈夫か?」なんて思われたりするかもしれません。
そうなると新郎の信用にも関わりますのでどうにか人を集めてバランスをとりたいもの。
そういうときに利用されているのが結婚式の代理出席です。
十数年前までは結婚式はやるのが当たり前でしたが、最近は友人知人がそもそも少なかったり経済的理由から挙式せず婚姻届を出して終わり、という人達も多いです。
そんな中で、あえて友人知人のフリをして結婚式に代理出席してほしいという依頼者がいるのですから、よっぽどの理由があるのだろうしそれだけ需要があるのだと思います。
ここでは結婚式の代理出席を中心に、その他の副業で行われている代理サービスについてもお伝えしていきます。
代理出席の仕事内容
まず代理出席の仕事内容ですが、名前の通り当人の代わりに代理で出席すること…というのもあるのですがそれだけではありません。
いわゆる「サクラ」としてセミナーが賑わっているように見せかけたり、結婚披露宴で新郎または新婦の友人役として出席したり、はたまた彼氏や彼女などの恋人代行やリア充アピールのための友達代行、父親役や母親役、夫や妻役の代行まで割りとなんでもやってしまっているのが今の代行業です。
…が、とりあえずメインとしてお伝えするのは代理出席についてです。代理出席は先に書いた通り結婚式や葬式など友人知人役として多くの人に出席してほしいというクライアントの要望に応えるための人材派遣サービスです。
といっても、派遣される側としては美味しい料理が食べられてお金ももらえるということでサラリーマンにとっても人気になりつつある副業ですね。冠婚葬祭の代理出席の報酬は概ね1万円~ですが、状況によってはこれよりさらに増えることもあるため思いのほか高収入につながることもあるとか。
しかし、当然ながら友人知人役として式場に出席する以上最低限の役作りは行う必要があります。当人からは想像もつかないような雰囲気の友人知人がいる、となると露骨に目立ってしまいますからね。(といっても、事前に依頼者の素性を知ることは難しいですが)
式場においては親族の方がグラスにお酒を注いでくれ、そこで少し話をすることもありますし、サクラではないリアル友人と「どんな関係なんです?」と聞かれてしまうこともあります。逆に話しかけられないこともありますが、とりあえずある程度は設定を作っておくことが大事になるでしょう。
ただしペラペラ喋りすぎると逆に違和感になったりするので、ある程度の設定は作っておき必要になったら話す、くらいの気持ちでいたほうが良いかもしれません。
結婚式や葬儀の代理出席について副サバが考えること
で、ここでちょっと個人的な考えを挟むのですが、結婚式のときって結構たくさんの人が必要なんですよね。友人は最低でも5人は呼びたい、あとは会社の上司と親族まで含めて新郎側15人、新婦側15人合わせて30人くらいが理想ですね。もちろん友人関係が多い人なら夫婦で50人くらいは呼べるかもしれません。
しかし、色々あって友人自体が全然いないとか、親族が他界していない…などの諸事情で新郎または新婦側とバランスがとれないことって考えられますよね。
見栄と言ってしまうと仕方がないのですが、それでも相手側の家族に「新郎(新婦)の家族や友人関係って大丈夫なの…?」と思われてしまうと今後の家族間の関係にも悪い影響が出てきそうですよね。本来であれば別に披露宴をしなくてもいい(あるいは出来ない状態)のに、相手側の家族に「どうしてもやってほしい」と言われたら…やっぱりやるしか無くなってしまいます。
そういった悩みを抱えてしまう新婚夫婦は今後も増えるのではないかと個人的には思っています。そこを考えると代理出席という仕事への需要はまだ増えるような気がします。
ただ、やはり全然知らない人の友人知人役として出席するからにはそれ相応の演技力や忍耐力が必要になってくるでしょう。他人を騙すというと罪悪感が湧いてきますが、必要な嘘というのもありますから、そういったことに抵抗がないのであればやってみるのも悪くありません。
赤の他人の結婚式や葬儀に出席できる機会なんてそうそうありませんから、自分にとっては人生経験が増える、依頼者にとっては悩みの一つが解消する…と前向きに考えて取り組むのもいいでしょう。そうすれば「代理出席でも人の役に立てている」という充実・やりがいにつながりますからね。
代理出席は絶対にバレてはいけないことばかり
とはいうものの、結婚式の代理出席は絶対にバレてはいけません。当然ながら依頼主と代行業者の間で入念に設定が練られます。出身高校・大学や学科などは当然のこと、部活やサークルでのことや楽しかったエピソード、自分が演じる役者の名前、住所など非常に細かい部分まで決められるので、それをきちんと覚えてなりきることが大切になるんです。
そもそもバレないことが前提なので、役にのめり込むことができる人ほど向いている副業といえるでしょう。ちなみに、バレたときのエピソードなどが気になる方もいると思いますが、ざっくり探してみたところネット上には代理出席がバレたエピソードは存在していないようです。
まあ実際バレたことがあってもそんな悲惨な話をわざわざネット上に残す意味はないので、誰もが心のうちにしまっているだけかもしれませんが…。
結婚式の代理出席ということがバレそうになるシーンはどういうところでしょうか?ぱっと思いつくところだと以下でしょうか。
- 設定の詰めが甘い、設定を忘れていた
- 明らかに浮いた格好・マナー
- 飲みすぎて余計なことを喋ったり、自分からネタバレしてしまう
こういったことをするとバレる確率は高くなりますね。高校の同級生設定だと、他にも高校の同級生が出席していた時「こんな人いたかな…?」と思われてしまいますし、設定を忘れてしまうと他の出席者と話す時や新郎新婦の近くに行った時に本当に困ると思います。
あとは飲みすぎたり自分から余計なことを口走ったりするとボロが出やすくなりますので注意!ドッキリみたいに「実はサクラなんですよ~(笑)」なんていうのも絶対にダメです。
新郎(新婦)がわざわざお金を払って、恥を忍んでまで代理出席してもらった苦悩が一瞬でパーになるようなことはしてはいけません。
なので、代理バレには本気で注意してもらいたいですが逆に言えばそこだけ注意してもらえればそれほど難しい副業ではないと個人的には思います。
副業でできる代理出席の種類と勤務場所・応募方法
副業でできそうな代理出席はというと、今メインでお伝えしている結婚式や葬儀だけではありません。上の方でもお伝えしましたが、両親や親族の代理、友人代理、恋人代理、セミナー出席代理、墓参り代理、観客代理、などなど色々な代理業(サクラ)があるんですよね。
サクラというと飲食店やイベントが盛り上がっているように見せかける悪質なイメージがあるのですが、結婚式や葬儀の代理などはある意味必要悪というか、よく調べるとあったほうが幸せになれる人が増えるというような印象があります。
もちろんお金目当てで代理出席の副業をする人も多いのでしょうが、それでも人の役に立っているわけですから悪いことではありませんよね。
勤務場所ですが、概ね自分が暮らしている地域での勤務となることが多いと思われます。もちろん遠方となれば交通費も出るでしょうが、個人的には近場のものに参加する方が良いと思います。ただし、都心部でなく地方だと募集自体が少ない可能性もあり、都心部へ出向くことが多くなるかもしれません。
応募方法は代理出席を行っている会社の「スタッフ募集」にてまずはスタッフとして登録し、自分の参加条件に合致した案件があれば会社がまわしてくれる、という方針のところが多いようです。
代理出席のメリット・デメリット
次に代理出席のメリットデメリットを見ていきます。
メリット
まずメリットですが、結婚式の場合は引き出物がそのままもらえます。さらに美味しい料理も食べられて収入も得られるので願ったり叶ったりではあるでしょう。葬儀の場合も食事や粗供養品が出るので、報酬だけでなく食事や品物をいただけるという点は素直にメリットかなと思いますね。結婚式の場合、自分も温かい気持ちになれるというのが他にはないメリットだと思います。出席するだけでなくスピーチや余興をやることでさらに報酬アップにも繋がります。
デメリット
逆にデメリットは、バレる可能性があったりちょっとした罪悪感があること、あとは式が終わるまでフォーマルな格好をしている必要があるため、慣れていない人には大変かもしれません。とはいえ、やはりバレるかもしれない、という以外の大きなデメリットはないように思いますね。
代理出席の結婚式や葬儀であればメリットのほうが大きいと考えられますが、父親や母親、親族代理になる場合はかなり責任が重いですから入念な打ち合わせが必要になりますね。
ちなみに、会社によっては結婚式の代理出席にバイトで参加する人のために講習会を開いているそうで、ファミリーロマンスだと基本的なテーブルマナーや服装だけでなく代理出席であることがばれないようにするポイントがあるそうです。
具体的には、会話のポイントやビデオレターのセリフ回しなどよりナチュラルにできる方法がまとめられているようですね。
代理出席のチェックポイント
代理出席のチェックポイントをまとめておきます。
収入目安 | 時給1000円~ |
勤務地 | 結婚式場など |
勤務時間帯 | 日中(依頼者により変動) |
勤務曜日 | 金土日が多い |
1回の勤務時間 | 5時間程度~ |
資格の要不要 | 不要 |
難易度 | ★★☆☆☆ |
まず代理出席の時給は概ね1000円前後で、拘束時間が5時間程度ですので収入としてはざっくり5000円程度となります。その上にスピーチや余興などを加えて更に交通費が支給されれば1万円程度の報酬にはなるかな?というところでしょうか。
バレない限りはそれほど苦労しない副業になるとは思いますが、参加した際に同席した依頼者のリアル知人や家族との対応には気をつけたいところです。
収入的には普通のバイトレベルですが、おいしい食事が食べられて引き出物なども貰えると考えると割りは良いバイトかなと思いますね。
副業代理出席に向いている人
さて、ここまでお伝えしてきましたが、副業で結婚式などの代理出席に向いている人は以下のような人ですね。
こんな方におすすめ
- 最後まで役者として依頼者の友人知人・家族を演じきれる人
- サクラとして参加しても罪悪感ではなく幸福感や楽しさを共有できる人
- 挙式などの参加に慣れている人
- 役者の練習として参加したい人
このような人には副業として代理出席がオススメできるのではないでしょうか。
ただそれなりに時間的拘束もありますし、なにより報酬自体は普通のアルバイトとあまり変わりませんのでガッツリ稼ぎたい!という人には向いていません。ただ、会社でアルバイトが禁止されているとか土日に単発で稼ぎたい、という方にオススメできるかな感じますね。
今後まだまだ需要のある代理出席サービスですので、今のうちに参加して場数を踏んで見るのもいいかもしれませんよ。
まとめ:最後まで役を演じきれる自信がある人におすすめの副業
ぶっちゃけ、結婚式や葬儀の際に話をすることってそれほど多くはありません。親族の方にお酒を注いでもらうことはあってもより濃い方の方と話をすることのほうが多いため、友人の末端くらいの役であれば「今日は来てくださってありがとうございます」くらいしか言われないと思います。
仮に「どういうご関係なんですか?」と聞かれることがあってもある程度指定されている設定をしっかりと自分のなかで咀嚼した上で浅めの話で合わせておくことでその場は乗り切れると思います。ずっと待ちスタイルだと会話のペースを掴まれたままになるので切り上げるのが難しいですから、ある程度は積極的かつ浅めに会話をしておくくらいがベターかなと個人的には思いますね。
いずれにせよ、代理出席は楽に稼げるバイトとは言えある程度の責任はある仕事ですから、絶対にばれない程度に焼くを作り込んで臨むということが大切でしょうね。応募に関しては「代理出席」で調べて出てくるファミリーロマンスやAASなどから応募してみると良いでしょう。