虫っていうとそれだけで「うわぁぁぁぁ」って思っちゃう人もいるかも知れません。私も苦手な虫はいます。いわゆる不快害虫というやつですね。そういった虫に関しては誰もが見たくも無いし触りたくもないわけですが、逆に見た目がかっこよかったりキレイな虫だとどうでしょうか。
例えばクワガタやカブトムシなんかは虫なのにあまり気持ち悪がられない、むしろカッコいいと思われる昆虫の代表例です。昔からあるオオクワガタの繁殖ビジネスも似たようなものですね。黒いダイヤとも呼ばれるオオクワガタは未だにサイズが大きなものは数万円規模で取引されています。
ここではそういった昆虫繁殖や標本をフリマアプリやオークションで売る副業についてお伝えしていければなと思います。
昆虫標本・昆虫繁殖の仕事内容
まず昆虫繁殖ビジネスについてですが、これはそのままの意味ですね。オオクワガタや海外産のクワガタ・カブトムシなどを交配してより大きく美麗な個体の排出を目指して多くのブリーダーが心血注いでいます。
副業として行う場合、基本的にはヤフオクに出品するのがメインとなります。メルカリは生き物の出品ができませんからね。なお標本は問題なく出品できます
クワガタなどの繁殖は温度管理や菌糸ビン管理が大変そうと思われがちですが、実は既に長年に渡って培われたマニュアルがすでにあるので、機材と成虫ペアもしくは幼虫さえいればスグにでも始められます。
ただし、価格が高くなる個体の特徴としては、大型であること、美麗であること、レアな種類であること、レアな産地であること…などの諸条件が加わるため意外と相場が読みにくかったりします。まあオオクワガタの場合基本的には80mmを超えたりアゴが太いタイプだと高くなりやすいです。
カブトムシやクワガタだけでなく昆虫全般は基本大型であることが高額の条件なのでそこだけは抑えておくと良いかも。
逆に、大型でなくても値段が高くなる昆虫もいますし、昔はアホほど採集できたクワガタでもオオクワ並の値段で取引されている…なんてことも。
例えば、緑と赤で独特の金属光沢を持っているヤマトタマムシはそこら辺にいるのを1匹捕獲するだけでも1500円になってしまいます。よく出品されているのはオスメスペアで3000円あたりですね。
タマムシの驚くところは、標本であってもいい値段がつくということ。生きている状態を見かけることがあまりない昆虫ですが、ちょっとしたショックやストレスですぐに死んでしまいますし、寿命自体も短いので納得ではありますが。
オオクワガタよりも最近人気なのが、ミヤマクワガタです。私もかつて子供の頃は虫取り大好きマンで、夏休みになると近くの昆虫が集まる木を探して回ったものです。で、一番いらねぇ~と思っていたのがミヤマクワガタ。あのダサくて田舎臭い感じの頭部が好きではなかったのですが、なぜか最近人気が高まっているようで、ヤフオクではかなり高額で取引されています。
ペアで10万円前後になっていますが「ミヤマはダサい」と思っていた私からすると、かなり違和感を感じてしまうレベル。ミヤマよりもよっぽどカッコいいと思っていたオオクワガタやノコギリクワガタの相場を遥かに超えてしまっていて、不思議としか言いようがないです。
大体成虫で価値のあった虫は標本になってもそれなりに価値があり、ミヤマクワガタの標本はペアで高いもだと8000円~1万円前後の値段になるようです。
ちなみに、標本にする場合はお亡くなりになった昆虫を一度水洗いし、よく乾燥させてから防虫剤と一緒に箱にケースに入れておしまいです。昆虫を世話するよりも簡単ですが、飼育しているのなら最後まで看取ってあげるのが理想ですね。
さて、成虫と標本の販売の2パターンがあることはわかったと思いますが、どちらが簡単かと言えば、当然標本を作成する方です。繁殖させるには飼育用のケージや菌糸ビン、温度管理など環境づくりが必要になりますからね。きちんと予算を立てないと費用は思ったよりも高額になりかねません。
対して標本作りであれば、虫取りに行って採集した虫をお亡くなりになるまで飼育し、死骸を標本にする…これだけですから、費用はほぼ0なんですよね。もちろん標本ではなくそのまま天然採集した昆虫を出品しても良いわけです。多少のエサ代などは必要ですが、繁殖させたり継続的に飼育しなければ費用は掛かっていないも同然です。
ただしそのためだけに乱獲するとその地域の生態系が崩れてしまうので、捕獲数には注意したほうが良いかも。
副業でできる昆虫標本・成虫繁殖の種類と勤務場所
副業で昆虫の繁殖や標本を作る程度であれば、自宅で十分可能と思われます。それを本業とするなら専用の部屋が必要になりますが、副業なら部屋の一角を占有スペースにすればいいだけですしね。
ただ採集に行くとなると、どこで虫が採れるのかをチェックしておかなければなりません。当然ですが、ネットではそのような情報はほとんど出ていませんし、地元への配慮から出すわけには行かないのです。
ネットで情報を見た人がわんさか来たら怖いでしょ?なのでとにかく自分の足で探すか、公に認められている施設などで捕獲するのが理想です。
昆虫標本・昆虫繁殖のメリット・デメリット
さて、では昆虫標本を作ったり昆虫繁殖をするメリットデメリットについて見ていきましょう。
メリット
昆虫標本や昆虫繁殖は基本的に人と関わらず、しかもニッチな仕事(?)なのである意味では穴場で手軽と言えるかもしれません。昆虫好きなら一度は大きな個体のブリードを試してみたいはずなので、そういう方にとってはリアルに楽しい副業と言えるでしょう。
特にオオクワガタは繁殖方法が確立されていますし、温度管理と餌さえ問題なければほとんど世話の手間もかかりません。幼虫から成虫になるまでも菌糸ビンの中に入れっぱなしですから手軽だと思います。
デメリット
ただし、カブトムシやクワガタを飼育する上で環境を整えたりする必要がありますし、餌のにおいにつられてコバエがわいたりすることもあり、生活空間で飼育するとなると衛生的にちょっと厳しいかも知れません。
また、基本的にカブトムシやクワガタは夏に成虫となるためワンシーズン限りしか生きた成虫を販売する機会はないです。冬に越冬中の個体を送るのも無駄な死を招きかねませんしね。従って1年通して収益化することが難しいというのもデメリットと言えるでしょう。(最悪標本販売すればいいんですが)
メリットデメリットはこんな感じですね。大型個体にしたいと思ったら、まずは産地からこだわる必要があるので初心者にはなかなか難しいと思います。
なので、まずは安い成虫ペアまたは幼虫を購入して1年ほど育ててみて、慣れてから大型個体の繁殖にチャレンジしてみるのがいいのではないかと個人的には思います。最初から失敗して死なせてしまったりしてもアレですしね。
需要はあるのですが、昔ほどやっている人は多くないので今がチャンスかも?
昆虫標本・昆虫繁殖のチェックポイント
昆虫標本や昆虫繁殖の収入などのチェックポイントは以下のようになります。
収入目安 | 数百円~数千、数万円 |
勤務地 | 自宅、採集地 |
勤務時間帯 | 自由(採集するなら夜間・早朝) |
勤務曜日 | 自由 |
1回の勤務時間 | 世話だけなら15分程度 採集は1時間~数時間 |
資格の要不要 | 不要 |
難易度 | ★★★☆☆ |
率直に言って、現地採集してそれを即販売、あるいは標本にして販売する場合は実質元手ゼロで始めることが可能です。
ただし本格的にやろうと思ったら色々なコネを使って虫がいる場所やよく集る木の情報を集める必要があるため、時間も労力も馬鹿になりません。
対して繁殖するだけなら最初の初期投資+電気代などのランニングコストは掛かりますが、採集などに行く必要もなく手軽に始められます。
どっちのスタイルが良いかは自分次第なので、どっちもやりたい!という人はやればいいですし、繁殖だけでいいという人はそれでも良いでしょう。
いずれにしても楽しんでできればそれで良いんですよね、趣味の延長上の副業ですし。
昆虫標本・昆虫繁殖のおいしく稼げるタイミングは?
昆虫標本や昆虫繁殖が稼げるタイミングは、やはり夏の時期ですね。ちょうど成虫になる時期なので7月~9月の間はヤフオクでもよく取引されています。
それ以外の時期は標本くらいしか取引がありません。逆に言えば、標本ならどのシーズンでも販売が可能です。
とはいえ、生きた成虫に比べて標本は値段がかなり低いですので注意が必要です。標本になっても値段が落ちない虫、例えばタマムシなどの標本を売るというのは割とありだったりします。
いずれにせよ自分なりに法則を見つけて工夫して行くのが大事でしょうね。
副業で昆虫標本・昆虫繁殖に向いている人
副業として昆虫に関わることをしたいと思っている人、いますよね。どういう人が向いているのかを個人的な偏見でまとめてみました。
こんな方におすすめ
- 不快害虫はダメだけど昆虫は大丈夫な人
- カブクワや珍しい昆虫が大好きな人
- 昆虫の一生のサイクルを見ていられる人
- 衛生的に多少問題があっても気にならない人
- 死んだ昆虫を標本にするのをためらわない人
- 多少の環境設備への投資やランニングコストがあっても大丈夫な人
概ねこのような方にオススメできるかなと思いますね。私自身も地味に昆虫には興味があって、今でもタマムシやハンミョウなんかは捕まえてたりします。むしろ大人になってからですね、この趣味が面白いと思ったのは。
なので、たぶん子供の頃に虫取りやっていた人であれば、ドハマリしてしまう可能性もあるのが昆虫関連の副業だと思います。都会に住んでいる方がやろうと思ったら利益率は必ずしも高くはないですが、そこら辺にたくさん虫がいるという環境で生活している方であれば利益率は高くなるでしょうし、繁殖であれば住んでる地域はあまり関係ないです。
まとめ:昆虫好きな人は繁殖や標本作りを副業にしてみるのも悪くないかも?
怒涛の昆虫ブームが過ぎてはや十余年…ブリーダーとして虫を育てる人は少なくなりましたが、昆虫を飼ってみたいという人は少なくありません。犬や猫などの動物を飼うよりも世話が簡単ですし、種類によってはかなり長い年数生きるものもいます。
昆虫であれば心乱される…ということがまずないですし、クワガタとかがのそのそ歩いているのを見るだけでも気分がちょっと癒やされる…なんて人だっていると思います(私がそれ)。
あるいは、昆虫標本のコレクションをしている人に良い個体の標本を譲れば感謝されると思います。私も自分で採集したハンミョウのペア標本を人に譲ったことがありますが、地味に感謝されました。
そういった需要を見込んで、副業として昆虫関連の副業に取り組んでみるのも良いと思いますよ。