在宅副業はライターやアンケートなどネットで手軽にできるものが主流ですが、昔から存在していて今でも続いている在宅仕事の一つが、テープ起こし・文字起こしです。最近ではクラウドソーシングで仕事を受注し、納品まで完遂させることが多くなりました。
テープ起こしや文字起こしって、タイピングさえできれば初心者でも誰でもできる手軽な副業っていうイメージがあると思うのですが、実は意外と難しいのです。
ここではそんなテープ起こし・文字起こしをやってみたい!という人向けに、テープ起こしの概要だけでなくコツや練習法についてもお伝えしていきます。
テープ起こしの仕事内容
テープ起こし・文字起こしの仕事を端的に説明すると、対談・インタビューの音声やセミナー・講演映像などのデータをもとに書籍やウェブ媒体の記事で使用するために文章化するというもの。ちなみに、裁判などの重要資料となるデータのテープ起こしは基本的にクラウドソーシングでは行われていません。こういった重要資料に関しては基本的にテープ起こし業者に仕事が行くようになっています。
逆に言えば、このような重要案件をこなしたことがある方であれば、ココナラで高度なテープ起こしサービスを販売することも可能。
ともあれこの記事を読んでいるのはほとんどが初心者で、副業で始めたいという方だと思います。そういった方は前述のややライトな文字起こしの仕事をこなしていくのが手っ取り早く、また練習になります。
テープ起こしの仕事は、素起こし、ケバ取り、整文の3つを軸に行われます。
素起こし
話し言葉でよく使われる「えー」や「あー」「うーん」といった間投詞、相槌、「ちょっと」といったその人特有の話し言葉のクセも含め、全て文字として書き起こします。
ケバ取り
素起こしができたら、上述した間投詞やその人特有の話し言葉のクセなど、文章に起こすにあたって不要な言葉を削る作業のことをケバ取りと呼びます。
整文
ケバ取りができたら、文章としての体裁をこの段階で整え読みやすくします。
仕事のボリュームによりますが、一人で全ての仕事をすることもあれば工程ごとに複数人でチームを組んで行うこともあります。
文字起こしの仕事はあらゆるジャンルで行われる仕事ですが、その業界の専門用語を知らなければ意味がわからないこともありますし、異口同音の言葉もたくさん使われていたり、あるいは音声の質が悪く聞き取りづらいものなどがあるため、実は想像以上に難しい仕事なのです。
音声を聞いてわからないことは調べて書き起こし…を繰り返すことになるため、テープ起こしに掛かる時間は音声の長さの3倍~5倍ほどだそうで…仮に30分の音声ファイルを文字起こししようとすると、早くて2時間~2時間半、未経験だと5時間以上かかってしまう可能性が高いです。
得られる報酬は1件あたり5000円~1万円ですが、文字に起こすスピードが遅いほど時給はどんどん低くなっていきますのでかなりの速度が求められる副業になると思われます。
副業でできるテープ起こしの勤務場所
副業でできるテープ起こし・文字起こしの仕事ですが、音声ファイルをPCに入れていればどこでもできるので、極論自宅でなくても外出先のカフェなんかで行うことも可能。
ただし、音声が聞き取りづらい場合はイヤホンではなく周りの音を遮断してくれるヘッドホンが必須になるとおもいます。イヤホンは耳に長時間突っ込まなければならないため、かなり疲れますし耳が痛くなります。文字起こしだけでなく音声を聞いて作業をする場合、ヘッドホンの方が疲れにくいのは言うまでもありません。
文字起こしは案件によって仕事の難易度が大きく変わるので、やりやすい仕事が来たらありがたい程度に思っておくほうが良いかもしれませんね。
テープ起こしのメリット・デメリット
テープ起こしのメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット
デメリット
文字起こしの難しさは音声の録音環境、声質、専門用語の有無によって大きく左右されます。よくわからないほど聞き取りづらい時は何度も繰り返し聞くか、最悪「聞き取り不可」として提出する他ありません。
テープ起こし初心者の練習とコツは?ソフトとか検定ってあるの?
テープ起こしや文字起こしに検定はありません。なので、自主的に目標を持って練習するか実際に仕事を請けてそのなかで色々学び取っていく…というのが一番早いと思います。
効果のある練習としては、実際に音声データを聞き取って書き出してみるということですね。例えば以下のような練習問題があるサイトをいくつか巡って、80%以上聞き取れるのであればスムーズに仕事を始められると思います。
このサイトの例題3は思っている以上に聞き取りづらく、何度も聞かなければわからないレベルです。でも、普通の人の会話って意外とこんな感じで、その場にいないとわからないようなレベルなんですよね。
初心者がスピードと精度を高めるには、何の会話をしているのか、全体像を把握するというところから始めてください。何について話しているのかがわかれば、よくわからないワードも推測できるようになりますし、調べる際にもすぐに答えがわかるようになりますからね。
文字起こしのスピードを上げるには、全体像を掴むことを意識して始めてみてください。また、タイプミスがあった場合はバックスペースを連打する方が早い場合も。修正後は「END」キーを押すことで素早く編集中の部分に戻ることが可能です。こういったキー操作は普段からブログを書いていたりライターとして働いている人であればナチュラルにできると思いますので、慣れるのは早いと思います。
テープ起こしのチェックポイント
テープ起こしの収入などのチェックポイントも見ておきましょう。
収入目安 | 5,000~10,000円 |
勤務地 | 自宅 |
勤務時間帯 | 自由 |
勤務曜日 | 自由 |
1回の勤務時間 | 2時間~ |
資格の要不要 | 特に無いがタイピングが早く性格に変換できれば時給は高くなる |
難易度 | ★★★☆☆ |
収入については1件あたりで換算していますが、時給にすると初心者の頃は800円前後だと思います。慣れてきて精度とスピードが上がれば時給で1000円は超えてくるでしょうが、そこまでがかなりしんどいはず。
なので、割と長期で集中してできる人でないとテープ起こし・文字起こしで月5万円ほどの収入にするのは難しいと思われます。逆に言えば、ちゃんと時間確保できて速度もそれなりの早さでできるのであれば、月5万円程度は十分到達可能と言えます。
タイピングが早いなら大丈夫でしょ…とか思っていても、専門用語だらけで何度もググらなければいけなかったり、録音環境や話者の喋り方によっては何度聞いてもわからない…なんてこともあるわけです。なので、まずは何について話をしているのか?をきちんと把握しなければならないわけです。そうすることで多少は作業がしやすくなりますからね。
副業テープ起こしに向いている人
テープ起こしに向いているのは以下のような人ですね。
こんな方におすすめ
- 今まで何回か書き起こしの仕事をしたことがある人
- ライターだけど書き起こしは未体験だから興味があるという人
- 国語力にはそれなりに自身があるという人
概ねこういった方にはおすすめできるかと思います。ぶっちゃけてしまうと、書き起こしの仕事をするよりもライターとして自分の書きたいように文章を書くほうがものすごく楽です。
というのも、書き起こしはヘッドホンを常に耳に付けていなければできない仕事ですし、聞き取りにくい音声を何度も聞くのは結構辛いです。何言っているのかわからない話者に対しては「ちゃんと喋って!」と突っ込みたくなってしまうので、だいぶストレスでしょう。その場で「なんて言ったの?」なんて聞けるわけではないので、最後まで聞き取れなければ「不明箇所」として提出しなければなりません。
慣れれば多少はマシになるかもしれませんが、それでもやっぱり大変な仕事であるのにもかかわらず、何故か未だに「簡単にできる仕事」と思われているので、そう思う人にはぜひ自分で試してもらいたいですね。
まとめ:テープ起こしは思っているより大変な仕事だが速度が上がれば時給も上がる
こういった時給ではなく1案件○円という仕事だと、とにかくスピードと精度を上げることが報酬アップのカギになります。ですので、本気でテープ起こしをするなら以下のことがポイントになります。
ポイント
- 自分の仕事の範囲を理解しておく(素起こし、ケバ取り、整文のどれをやるか)
- 入力ミスを極力減らす
- 集中して取り組めるようヘッドホンを用意する
- 一気に取り組めるよう、作業時間は十分確保する
なんで「ググる回数を減らす」が入っていないんだ?と思うかもしれません。確かに検索回数は少なければ少ないほどスピードが上がるのですが、知識量は人によって違うのでどうにもなりません。なのでググる必要があれば遠慮なくググりましょう。そのかわり、入力ミスを減らしたり一気に作業が済ませてしまえるよう時間を十分確保するなどできる限り集中できる環境を作るのが重要かと思います。
ライターの仕事は総じてライトな分野と思われていますが、そのなかでも最もギャップがあるのが文字起こしの仕事だと思いますので、やってみたい方は「キツイのが当たり前」という意識を最初から持っておくと取り組みやすいと思います。